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七、那須野
那須[1]の黒ばね[2]と云所に知人[3]あれば、是より野越にかかりて、直道をゆかんとす。遙に一村を見かけて行に、雨降、日暮る。農夫の家に一夜をかりて、明れば又野中を行。そこに、野飼の馬あり。草刈おのこになげきよれば、野夫といへども、さすがに情しらぬには非ず。「いかがすべきや。されども此野は縦横にわかれて、うゐうゐ敷旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば、此馬のとどまる所にて馬を返し給へ」と、かし侍ぬ。ちいさき者ふたり、馬の跡したひてはしる。独は小姫にて、名を「かさね」と云。聞なれぬ名のやさしかりければ、
かさねとは八重撫子[4]の名成べし 曾良
頓て人里に至れば、あたひを鞍つぼに結付て、馬を返しぬ。
注释:
[1]那须,今栃木县那须郡一带。
[2]黑羽,今那须郡黑羽町。
[3]即下篇出现的翠桃。
[4]“撫子”即红瞿麦,自《源氏物语》以来,常见以可爱的瞿麦花比喻孩子。